
概要
創業以来、施工会社として確かな実績を積み上げてきたトヨコーが、10年以上にわたる研究開発によって磨き上げてきた独自技術「CoolLaser」を軸に、モノづくりメーカーとしてのブランド再構築に取り組みました。上場を見据えた成長フェーズにおいて、施工事業「SOSEI」とレーザー技術事業「CoolLaser」という2つの事業を貫くトヨコーらしさを再定義することが求められていました。私たちは経営層・技術開発者・現場メンバーへのインタビューを起点に、Webサイトを中心としたブランド体験を設計し、各種タッチポイントへと一貫して展開しています。

背景
トヨコーは、塗装・施工を中心とした「SOSEI」事業を通じて、現場に根ざした技術力と信頼を積み重ねてきました。SOSEI工法は、工場の製造ラインを止めずに老朽化した屋根を延命・補強する独自のスプレーカバー工法で、防水・断熱・補強など多岐にわたる効果を生み出しています。
同時に、10年以上の研究開発を経て磨き上げた「CoolLaser」は、独自の高出力レーザー技術により、橋梁や鉄塔などインフラ構造物のサビ・古い塗膜をクリーンに除去する装置です。社会的ニーズの高いインフラ維持・保全に貢献する技術として活用されています。
SOSEIとCoolLaserという二つの事業軸を持つことで、現場の課題解決と未来の社会価値を同時に追求してきたトヨコー。2025年2月25日の上場を機に、施工会社という枠を超え、技術を起点としたモノづくりメーカーとしてのブランド価値を明確に伝える必要性が高まっていました。私たちはこの課題に対し、理念体系の深掘りから着手しています。

目指した姿
施工会社からモノづくりメーカーへ。技術に対する姿勢と現場主義の精神を、ブランドとして一貫して伝わる形に再構築。
支援内容
経営と現場、両方の声を束ねる中で見えてきたのは、現場に向き合い、本質を捉え、シンプルなコアに技術を磨き続ける姿勢こそがトヨコーらしさであるということでした。この発見を起点に、Webサイトを中心としたブランド体験を設計しています。
<理念体系の深掘り>
経営層インタビューを通じたミッションの再解釈。
まず取り組んだのは経営層へのインタビューです。ミッション「キレイに、未来へ」について、なぜこの言葉を掲げるのか、このミッションで何を実現したいのかを丁寧に掘り下げました。理念がスローガンに留まらず、技術開発や現場改善の判断軸としてどう機能しているかを明確にすることも重視しています。
<人材の魅力の整理>
前例のない技術開発に挑む環境と、そこに集う人材の強み。
次に着目したのは、トヨコーにどのような人材が集まっているかという点です。前例のない技術開発に挑み続ける環境と、日本のトップメーカーで経験を積んだエンジニアがその挑戦に共感して参画していること。これが人材面での大きな強みであることが明らかになりました。
<現場から見える精神性>
開発・施工現場の訪問とヒアリングによる価値観の抽出。
CoolLaser・SOSEIそれぞれの開発・施工現場を訪問し、現場メンバーへのヒアリングを実施しました。経営層が語る「現場主義」や「引き算のものづくり」が、日々の改善や技術選定の中で自然に体現されている姿が見えています。


<情報設計>
「現場主義」と「引き算のものづくり」を切り口にした技術の構造化。
Webサイトでは技術を羅列するのではなく、価値観を切り口に伝える技術を選定・構造化しました。天候・湿度・工事情報などのデータ化による効率化の取り組みや、現場の声をR&Dに反映し続けるプロセスを紹介しています。技術の磨き方から価値観が伝わり、その技術が顧客や社会にどのようなメリットをもたらすかまでを一貫して示しました。

<デザイン表現>
静かな佇まいの中に、ものづくりへの熱量をにじませる設計。
ミニマルなトーンを基調に、社員との対話で感じた細部へのこだわりを表現に落とし込みました。カスタムカーソルやマイクロインタラクションを通じて、抑制された画面の中にエネルギーが宿る体験を設計しています。写真やページ全体のトーンは、ものづくりに誇り高く向き合うトヨコーの空気感を表現するものです。


<CG表現>
不可視のレーザー技術を直感的に理解できるビジュアル表現。
CoolLaserのレーザー技術は目に見えるものではありません。そこでCGを用い、不可視の技術を直感的に理解できる表現に取り組みました。細かなヒアリングと理解を重ね、抽象表現も交えながら、技術の先進性と洗練されたデザイン性を一体的に表現しています。
成果
本プロジェクトを通じて、社外への情報発信にとどまらず、社員のみなさま一人ひとりが自社の事業やモノづくりに改めて向き直すきっかけとなりました。自分たちが何を大切にし、どのような思想のもとで技術やプロダクトを磨いてきたのかを言語化することで、日々の仕事と事業の意味を捉え直す機会につながっています。
さらに、製品カタログ・IR資料など各タッチポイントにおいてもデザインを支援し、トヨコーらしさを一貫して感じ取れる体験へと展開しました。
Credits
リブランディング
- Director
- 粟野 唯史
- Art Director
- 小猿 啓太
- Art Director
- 中村 文隆
- Designer
- 岡嵜 帆乃香
- Lead Developer / Front-end / Back-end Developer
- 岩下 明日海
- Photographer
- 須藤 和也 (ディスカバリー号)
- Photograph Assistant
- 門田 彩香 (ディスカバリー号)
- Copy Writer
- 山田 知奈 (ハタジルシ)
- CG Director
- 坂本 翔吾 (LITdesign)
- CG Designer
- 植村 航平 (LITdesign)