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NEWPEACE Inc.NEWPEACE

組織

2023

経営者が抱える「問い」から始まる、物語の再構築

概要

NEWPEACEは創業以来、特定の市場や手法に自らを固定することなく、ビジョン起点で多角的な挑戦を続けてきました。一方で、組織が拡張し、社会との接点が多層化する中で、同社は「自らの事業軸をどこに定めるべきか」という、経営上の本質的な問いに直面していました。当初の命題はコーポレートサイトの刷新でしたが、議論を重ねるにつれ、論点は表層的な表現の域を超え、本質的なアイデンティティの議論へと深化していきました。「NEWPEACEは、これから何者として社会に介在していくのか」。その輪郭を、言葉と体験の両面から定義し直す必要がありました。本プロジェクトでは、新たに立ち上げたコミュニティマネジメント支援サービスを事業の中核に据え、Goodpatch Inc.とスタジオディテイルズが協働。事業構想から言語設計、世界観構築、デザイン、実装までを一本の強固な思考線で貫き、最終的にブランドの体現としてのコーポレートサイトへと結実させています。

背景

NEWPEACEは、社会の関心事を鋭く捉え、多様なプロジェクトを成功に導いてきました。しかし、事業の多角化が進むにつれ、「提供価値の核心」が組織内で拡散し、対外的にもその実態が捉えにくい構造を内包していました。こうした状況の中で、同社が自らの根源的な強みとして再認識したのが、人々の意志を起点に、熱量ある連帯を生み出す「コミュニティ」という概念です。これまでのプロジェクトを通じて培ってきた「個の意志を社会の熱量へと変換する力」こそが、NEWPEACEの模倣困難な資産そのものでした。ただし、コミュニティという言葉は多義的であり、完成された商品像や市場の正解が存在しません。その価値を事業として成立させるには、理念や想いを語るだけでなく、再現性のある提供価値として構造化することが不可欠でした。これはデザインや表現の問題ではなく、ブランドの認識と意味づけをどう再設計するかという、経営レベルの課題だったのです。

目指した姿

目指したのは、単なる表層的なリニューアルではありません。

  • 「なぜ今、コミュニティなのか」
  • 「なぜそれを、NEWPEACEが担うのか」

この二つの問いに対して、社内外の認識が齟齬なく共有される状態をつくること。同時に、これまで培ってきたブランド資産を継承しながら、新事業の提供価値を明確化し、経営判断と事業展開の起点として機能するコーポレート体験を構築することをゴールに設定しました。その指針として策定したのが、『NEWPEACE2030』です。「コミュニティとテクノロジーの力で、熱量の高いつながりを生み出す」。この言葉を掲示用のスローガンではなく、日々の意思決定において立ち返るべき「軸」として設計しました。

支援内容

アウトプットを先行させる手法は、ここでは選択しませんでした。コーポレートサイト制作という依頼を入り口としながらも、創業者、経営層、メンバーとの対話を幾重にも積み上げ、事業の本質と未来像を徹底的に掘り下げるところから着手しています。

経営の問いを分解し、事業の軸を再定義する
単なるヒアリングに留まらず、経営者がこれまでどのような問いを抱え、いかなる基準で意思決定を行ってきたのかを分解。未来の社会像から逆算するフレームを用いながら、NEWPEACEが担うべき役割と、事業として選ぶべき領域を整理しました。あわせて、メンバーインタビューや既存データの解析を通じて、組織内に散在していた論点を可視化していきました。こうして浮かび上がったのが、コミュニティを単なる手法や流行語として扱うのではなく、「人の意志を起点に、熱量ある連帯を生み出す力」として再定義する必要性でした。

抽象的な価値を、実務に耐えうる「言語」へ昇華させる
概念に寄りやすいコミュニティマネジメントの価値を、事業として再現可能な構造へと落とし込むため、事業の位置づけ、提供価値、ターゲット像、そしてNEWPEACEが担う必然性を一つひとつ言語化しました。重要だったのは、過去の実績を並べることではなく、「これから何を選び、何を選ばないのか」という意志を明確にし、社内合意形成と対外的な説明の双方に耐えうる判断軸をつくることでした。その中核として、約8ヶ月にわたる検証を経て、実務で機能し続ける言葉へと磨き上げたのがビジョン『NEWPEACE2030』です。

思想を「体験」へと翻訳し、ブランドアセットを構築する
コーポレートサイトでは、研ぎ澄まされた思想を、言葉だけでなく体験として伝えることを重視しました。既存のNEWPEACEらしさが持つ「カルチャー感」と、新たに付与する「ビジネスとしての信頼性」を高度に両立させる構成を追求。キービジュアルや図版はWebの枠を超え、発信、採用、提案といったあらゆる接点で展開可能なブランドアセットとして設計しました。また、表現量が多い中でも、操作性や体感速度を損なわないよう実装パフォーマンスを最適化。ブランドの躍動感とストレスのない操作性が高次元で成立する、極めて純度の高いコーポレート体験へと仕上げています。

成果

「なぜコミュニティで、なぜNEWPEACEなのか」。その問いに対する解を、言葉と体験の両面で統合できる基盤が整いました。『NEWPEACE2030』を起点とした共通認識が社内外に共有され、新たな事業を迷いなく語り、展開できる判断基準が明確になっています。生成されたブランドアセットは、発信、採用、提案といった事業活動を横断的に支える基盤として機能し、NEWPEACEが次の成長フェーズへ進むための確かな足場となりました。